第6番【ローズ『32のエチュード』を徹底解説】

ローズ『32のエチュード』を徹底解説
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こんにちは。お米を育てる音楽家、ジョーです。

引き続き、ローズ『32のエチュード』を1曲ずつ徹底解説していきたいと思います。

曲を解説するにあたり小節番号を用いていますので、小節番号を記入の上で読んでください。

このエチュードの概要については以下の記事をご覧ください。

テクニックも表現力も身に付く『32のエチュード』C.ローズ

構成

この曲は4つの部分に分けて考えたいと思います。

小節番号部分調
1-18部分1(提示)G-dur → D-dur
19-31部分2D-dur → h-moll
32-51部分3(再現)G-dur → D-dur
52-部分4(コーダ)G-dur

それぞれの部分を細かく見てみましょう。

部分1(提示)

1小節目からテーマが提示されます。

テーマの特徴は以下のとおりです。

  • 半音による刺繍音(ソファソ、レドレ)
  • そのアーティキュレーションは3つにかかるスラーとスタッカート
  • 半音による倚音(ファソ、ドレ)
  • そのアーティキュレーションは2つずつのスラー
  • 和声外音を除くと分散和音になる(ソシレソシ)

以上を考えると、7小節目からはテーマの要素から次第に離れていくことが分かります。

15小節目の2拍目からは長い下行の半音階があり、その後D-durでこの部分を終わります。

部分2

1小節の全休符の後、新しいメロディーが現れます。

スラー3つ、スタッカート1つという意味では、テーマと関連付けて考えることもできるでしょう。

ただし、テーマが分散和音を核として上行していったのに対して、このメロディーはレやド♯が繰り返されて同じ音域に留まっています。

共通の要素がありながらも、対比もされていることが分かります。

25小節目のラ♯の出現から転調が始まり、この部分はh-mollで終止します。

この部分2はリピート記号によって完全に繰り返されます。

部分3(再現)

32小節目からはテーマが再現されます。

かなり忠実に再現されていますが、ところどころに変化があるところがポイントです。

35小節目・36小節目はソ・ファがオクターブ上がっただけですが、それだけで雰囲気が全く変わっています。

40小節目は再びテーマが現れるところもポイントです。

その後は提示部分と全く同じように再現され、D-durで終わります。

部分4(コーダ)

52小節目からはテーマの要素も用いながら、コーダの部分を形成しています。

60小節目に出てくるファ♮はこの曲で初めて出てくる音です。(半音階を除く)

ここで初めてフラット系(C-dur)に一時的に転調するので、この音は大切に吹きましょう。

最後の66小節目・67小節目はテーマが繰り返されて、この曲を終わります。

とても分かりやすい構成

この曲は部分と部分の間に全休符があったり繰り返し記号があったりして、非常に分かりやすく部分が分かれていました。

部分ごとの内容も提示・対比・再現・コーダと分かりやすくなっています。

曲によっては自然に次の部分へと移り変わる曲もありますが、この曲は聴いている人にも分かりやすく明確に部分が分かれています。

奏者も構成を理解して演奏しましょう。

指使いに注意!

美しい演奏をするためには最適な指使いで吹くことが求められます。

この曲では特に注意してほしい箇所が2箇所ありますので、その部分を詳しく見てみましょう。

6小節目のファ♯・ミ♯・ファ♯

一般的な指使いは以下のとおりです。(ミ♯はファの♮ですよ~。)

指使いとしては難しくはありませんが、この指使いの連続に問題があります。

ファ♯からミ♯に移る際に

  • 左手人差し指を離す(離す動き)
  • 左手親指を押す(押す動き)

という離す動きと押す動きという正反対の動きが同時にあります。

このような離すと同時に押すという運指はやめましょう。

ここではファ♯を他の運指に変えます。

このようにするとファ♯からミ♯に移る際に

  • 右手人差し指を離す(離す動き)

という離す動きだけになります。

もちろんミ♯からファ♯に動くときは逆に動かし、押す動きだけの運指にします。

15小節目・16小節目のファ♯・ファ♮

この音の一般的な指使いは

ですが、これだとやはり

  • 右手中指を離す(離す動き)
  • 右手人差し指を押す(押す動き)

という反対の動きが混ざってしまいます。

ですのでここではファ♯を以下の運指に変えます。

そうすると

  • 右手薬指を離す(離す動き)

という離す動きだけになります。

離すと押すの混在は避けよう

このように、あるキーを離すと同時にあるキーを押すという、離すと押すが混在している運指は避けましょう。

間にいらない音が入ってしまう可能性が大いにあります。

どうしてもそのような運指になってしまう場合は、細心の注意を払う必要があります。


この音はこの運指、と決めつけていませんか?

いろんな運指を知っていると場面によって最適な運指を使い分けることができます。

しばらく運指表を見ていない人はこの機会に見てみるのもいいかもしれません。

こんな運指があったのか!なんて気づくこともあるかも。

運指については以下の記事でも詳しく説明していますので、合わせてご覧ください。

その運指、適切?運指に関する4つのポイント

ではまた次回!

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