第21番【ローズ『32のエチュード』を徹底解説】

ローズ『32のエチュード』を徹底解説
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こんにちは。お米を育てる音楽家、ジョーです。

引き続き、ローズ『32のエチュード』を1曲ずつ徹底解説していきたいと思います。

曲を解説するにあたり小節番号を用いていますので、小節番号を記入の上で読んでください。

このエチュードの概要については以下の記事をご覧ください。

テクニックも表現力も身に付く『32のエチュード』C.ローズ

構成

この曲は4つの部分に分けて考えたいと思います。

小節番号部分調
1-8部分1(提示)A-dur → E-dur
9-17部分2A-dur
18-27部分3E-dur
28-35部分4(再現・コーダ)A-dur

それぞれの部分を細かく見てみましょう。

部分1

1小節目からテーマ(ドーレミファソラ…)が提示されます。

最初のリズム(付点4分音符+8分音符)が曲全体を統一させるモティーフになっています。

3小節目に見られるターン(レドシ♯ド)も曲の随所に見られます。

5小節目には最初のリズム(付点4分音符+8分休符)が再び現れ、4小節+4小節のフレーズ感を明確にさせています。

6小節目には再びターン(ファミレ♯ミ)が現れます。

転調し、8小節目で属調のE-durで終止します。

部分2

9小節目からの部分2は再びA-durに戻ります。

メロディーは違いますが、テーマと同じリズム(付点4分音符+8分音符)で始まっています。

14小節目からは音が次第に上がっていき(ド→レ→レ♯→ミ→ミ♯→ファ)、15小節目のフェルマータでカデンツァになります。

1オクターブずつ下がりながら、ミから始める下行のパッセージが3回続きますがが、それぞれが異なります。

  1. 1回目…フェルマータとクレッシェンドとデクレッシェンドがある
  2. 2回目…ディミヌエンドがある
  3. 3回目…後半の音符の音価が16分音符に変わっている

以上の違いに注意して、それぞれを吹き分けましょう。

17小節目でA-durで終止します。

部分3

18小節目からはE-durに転調しています。

メロディーは違いますが、再び18小節目にはテーマのリズム(付点4分音符+8分音符)が用いられていて、19小節目にはターンも見られます。

24小節目のアウフタクトからはクレッシェンドしながら次第に音が上がっていき、fになった後ディミヌエンドし、27小節目でE-durで終止します。

部分4

28小節目からは冒頭のテーマが再現されます。

32小節目のアウフタクトから新しい方向へと向かい、34小節目の頭でA-durで一旦は全終止します。

34小節目からはピウ・レントになり、短いコーダで終わります。

倍音を考えて吹く

以下は5小節目の譜例です。

ミからド♯への跳躍がありますが、この2つの音には共通点があります。

同じ倍音の音だということです。

それぞれの運指を見てみる

先程のミ、ド♯、それに加えて下のラの音の運指を見てみましょう。

左がラの運指、真ん中がミの運指、右がド♯の運指です。

どれも似た運指だと思いませんか?

違いを赤い丸で示しました。

  • ミ…ラの運指にレジスターキーを加えたもの
  • ド♯…ミの運指から左手人差し指を除いたもの

どうして運指が似ているのでしょうか?

同じ指でいろいろな倍音の音がでる

例えばトランペットなどの金管楽器だと、同じ運指でいろいろな音が出ますよね。

リコーダーでも息を強く吹き込むと音がひっくり返って1オクターブ上の音が出ます。

これらはその音の倍音が出ているということです。

クラリネットもそれらの楽器と同じように、同じ運指でいろいろな倍音の音が出ます。

リードミスというのは、この倍音が意図せずに出たものです。

ただし、よりその音が狙って出せるように、よりその音のピッチに近づくように、異なる運指になっています。

ラを基音として考えると

  • ミ…ラの第3倍音
  • ド♯…ラの第5倍音

になります。

同じ音を吹いているつもりで

もう一度、5小節目の譜例を見てみましょう。

一見すると、ミからド♯へは6度も跳躍しているように見えます。

ただし、この2つの音の基音はどちらもラで、元となる運指は同じです。

ですから、ミからド♯への跳躍は音がとても高くなっている、と考えるのではなく、同じところで楽器が鳴っている、と考えたほうがよりうまく演奏することができます。

音は高くなっていますが、気持ちはミのままで、ちょっと音をひっくり返すだけです。

音の高さに惑わされて「高いんだ!」という気持ちやアンブシュアで演奏すると、なかなかうまくいきません。

倍音を考えて吹く

このように倍音のことを考えると、実は音が高くなっていても元の運指(基音)は同じだったり、むしろ元の運指の音は下がっていることもあります。

今吹いている音はなんの音がひっくり返った音なのか、つまり今吹いている音の基音はなんの音なのかを考えてみると、うまく吹けることがあります。

それではまた次回(^^)

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