第20番【ローズ『32のエチュード』を徹底解説】

ローズ『32のエチュード』を徹底解説
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こんにちは。お米を育てる音楽家、ジョーです。

引き続き、ローズ『32のエチュード』を1曲ずつ徹底解説していきたいと思います。

曲を解説するにあたり小節番号を用いていますので、小節番号を記入の上で読んでください。

このエチュードの概要については以下の記事をご覧ください。

テクニックも表現力も身に付く『32のエチュード』C.ローズ

構成

この曲は4つの部分に分けて考えたいと思います。

小節番号部分調
1-16部分1(提示)g-moll → Es-dur
17-31部分2Es-dur → B-dur
32-64部分3B-dur → g-moll → B-dur → g-mll
65-80部分4(再現・コーダ)g-moll

それぞれの部分を細かく見てみましょう。

部分1

1小節目からテーマ(ソラシドレミ…)が提示されます。

テーマで使われているアーティキュレーション(スラー3つ・スタッカート3つ)は曲全体で使われています。

8小節目からテーマが繰り返され、11小節目からラ♭の音によってEs-durへと転調していき、16小節目でEs-durで全終止します。

部分1は15小節目・16小節目を除いて全てがテーマのアーティキュレーションで成り立っています。

部分2

17小節目からはテーマと全く異なる、トリルが印象的なメロディーが現れます。

この曲は全体を通してテーマのアーティキュレーションで成り立っているため、この部分2は特徴的な部分であると言えます。

27小節目からラ♭はナチュラルになり、B-durへと転調していき、31小節目でB-durで全終止します。

部分2は繰り返し記号によって繰り返されます。

部分3

32小節目の経過的な部分の後、33小節目からテーマがB-durで現れます。

39小節目からファ♯の出現によりg-mollへと転調し、41小節目からはテーマがg-mollで現れます。

再び転調し、49小節目からはテーマがB-durで現れます。

49小節目のテーマは、33小節目のテーマのオクターブ下です。

さらに転調し、最終的にこの部分はg-mollで半終止します。

フェルマータの後、最後の部分へと移ります。

部分3は転調を繰り返しながら、何度もテーマが現れる部分です。

部分4

テーマが主調で再現され、転調することなくそのままg-mollで終止します。

部分1の11小節目・12小節目と同じように、部分4の75小節目・76小節目でラ♭が出てきますが、同じラ♭でも両者は全く異なる機能を持っています。

部分1のラ♭はEs-durの構成音で、Es-durへと転調していきます。

部分4のラ♭は「ナポリの六度」つまりIIの和音が変化したもので、転調したわけではありません。

ナポリについての詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。

ナポリの六度ってなに?

トリルの指使いを考えよう

17小節目のシ♭のトリルが出てきます。

しかし、このトリルを普通の運指でやろうとすると、なかなか大変です。

トリルにはトリルに適した運指がある場合があります。

綺麗にトリルができる運指を紹介します。

シ♭とドのトリルの運指

シ♭とドのトリルの運指
シ♭とドのトリルの運指

シ♭の運指のまま、さらに右手の人差し指で横のキイの上2つ(画像で赤く示したキイ)を押します。

この運指なら簡単にトリルができますね!

運指によって音色が違う

上記の運指のドの音色をよく聴いてみると、普通の運指のドの音色とは全く違うことが分かります。

ですから基本的にトリルの運指はトリルでしか用いることができません。

もしくはその音色がほしい場合はあえてこの運指を使うこともできるでしょう。

同じ音でも運指によって音色が違いますから、そのことを理解して運指を使い分けましょう。

それではまた次回(^^)

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