第19番【ローズ『32のエチュード』を徹底解説

ローズ『32のエチュード』を徹底解説
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こんにちは。お米を育てる音楽家、ジョーです。

引き続き、ローズ『32のエチュード』を1曲ずつ徹底解説していきたいと思います。

曲を解説するにあたり小節番号を用いていますので、小節番号を記入の上で読んでください。

このエチュードの概要については以下の記事をご覧ください。

テクニックも表現力も身に付く『32のエチュード』C.ローズ

構成

この曲は4つの部分に分けて考えたいと思います。

小節番号部分調
1-14部分1(提示)g-moll
15-22部分2B-dur
23-32部分3g-moll
33-44部分4(再現・コーダ)g-moll

それぞれの部分を細かく見てみましょう。

部分1(提示)

1小節目からテーマ(レシファ♯ラソー…)が提示されます。

このテーマは

  • 3つの4分音符

から始まります。

続く2小節目の3拍目は

  • 3つの音符によるアウフタクト(16分音符)

で成り立っています。

5小節目のアウフタクト(ラドレ)も、6小節目のアウフタクト(レミ♮ファ♯)も、3つの音符(8分音符)で成り立っています。

この楽曲は全体を通して、この3つの音符によるアウフタクトが随所に見られます。

10小節目のアウフタクト(レミーレ)や13小節目の後半(ソシーラ)もその要素の変型と考えてよいでしょう。

14小節目でg-mollで全終止します。

部分2

ダイナミクスレンジはpになり、調もB-durになります。

メロディーは4分音符3つから始まり、16小節目の3拍目が16分音符3つになって次の小節のアウフタクトになっています。

テーマとの関連性はそこまで強くないものの、 上記の点(3つの4分音符、3つの音符によるアウフタクト)を考えば関連性を見出すことができます。

この部分は全体がpでB-durで、22小節目で全終止します。

部分3

23小節目のアウフタクトから、ダイナミクスレンジはmfになり、調もg-mollに戻ります。

23小節目のアウフタクトと25小節目のアウフタクトも、3つの音符によるアウフタクトが用いられています。

上行型による半音階は短いカデンツァと考えることができるでしょう。

系統としては17番のカデンツァによく似ています。

第17番【ローズ『32のエチュード』を徹底解説】

ディミヌエンドして、フェルマータでこの部分を終わります。

部分4

33小節目からテーマが再現されます。

3小節間(35小節まで)は同じように再現されますが、36小節目からは変わっていきます。

37小節目のアウフタクトも3つの音符によるアウフタクトです。

ここではそれが4回も連続して現れます。

39小節目の2拍目からトリルを伴って、ソ、さらにオクターブ上のソ、さらにオクターブ上のソ、と一気に2オクターブ上がります。

その後、半音階で下行してきますが、sempre fの指示で減衰することなく下行していきます。

フェルマータの後、リタルダンドしながら楽曲は終わります。


この曲は「3つの音符によるアウフタクト」が全体にあることが特徴と言えます。

モティーフとは?

この曲の分析で用いた、モティーフという用語について解説します。

モティーフ(またはモチーフ)は日本語では動機(どうき)と訳されます。

意味としては、音楽を構成する最小の単位、と考えてもらっていいと思います。

例えば文章であれば、 文章>段落>文>文節>単語のように次々に分解することができますね。

それが音楽であれば、1つの楽曲の中に部分がいくつかあり、その部分にいくつかのフレーズがあり、そのフレーズにいくつかのメロディーがあり、そのメロディーにいくつかのモティーフがある、ということです。

以上をまとめれば、楽曲>部分>フレーズ>メロディー>モティーフとなります。

実際に楽曲で考えてみよう

実際にこのエチュードで楽曲、部分、フレーズ、メロディー、モティーフを考えてみましょう。

楽曲を部分に分ける

4つの部分に分けます。

これは上記の分析でやったとおりです。

部分1をフレーズに分ける

3つのフレーズに分けます。

  1. 1小節目~4小節目【フレーズAとします】
  2. 5小節目のアウフタクト~8小節目
  3. 9小節目のアウフタクト~14小節目

フレーズAをメロディーに分ける

2つのメロディーに分けます。

  1. 1小節目~2小節目(レシファ♯ラソ)【メロディーAとします】
  2. 2小節目のアウフタクト~4小節目(レソシ…)

メロディーAをモティーフに分ける

2つのモティーフに分けます。

  1. 1小節目(レシファ)…3つの4分音符という特徴
  2. 2小節目(ラソ)…逆付点のリズムが特徴

モティーフの役割は?

この曲では何度も現れるモティーフがありました。

3小節目のアウフタクト(レソシ)、つまり「3つの音符によるアウフタクト」というモティーフです。

このモティーフは音価が倍になって(8分音符になって)5小節目のアウフタクト(ラドレ)や6小節目のアウフタクト(レミ♮ファ♯)でも現れました。

既に上記で分析したように、たくさんありましたね。

モチーフはこのようにして、曲全体にちりばめられ関連を持つことによって、曲全体に統一感が出るようになっています。

今までのエチュードでも、全く同じ旋律が出てこなくても、似た音形が何度も出てくるということがたくさんありました。

それがまさに、共通したモティーフが用いられているということです。

曲を見るときは、大きくどのように構成されているのか部分を考えたり、小さくモティーフがどのように関連しあっているのかを考えたり、常にいろいろな視点から見ることが大事です。

それではまた次回(^^)

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