第18番【ローズ『32のエチュード』を徹底解説

ローズ『32のエチュード』を徹底解説
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こんにちは。お米を育てる音楽家、ジョーです。

引き続き、ローズ『32のエチュード』を1曲ずつ徹底解説していきたいと思います。

曲を解説するにあたり小節番号を用いていますので、小節番号を記入の上で読んでください。

このエチュードの概要については以下の記事をご覧ください。

テクニックも表現力も身に付く『32のエチュード』C.ローズ

構成

この曲は5つの部分に分けて考えたいと思います。

小節番号部分調
1-16部分1(提示)B-dur
17-24部分2g-moll
25-35部分3(再現)B-dur → F-dur
36-57部分4B-dur

それぞれの部分を細かく見てみましょう。

部分1(提示)

1小節目からテーマ(ファシー…)が提示されます。

テーマの要素は以下のとおりです。

  • 16分音符のアウフタクトから始まる
  • タイで繋がれた音符(付点4分音符+16分音符)
  • 順次進行で連なる16分音符

8小節目で半終止し、もう一度テーマが現れ、その後16小節目で全終止します。

部分2

meno mossoの指示でテンポは遅くなり、調はg-mollに転調します。

部分2はテーマの要素はなく、対象的になっていることが分かります。

ダイナミクスレンジも部分2は全体がpです。

後に現れるテーマのためにも、短調の雰囲気をしっかりキープしましょう。

部分3(再現)

テンポと調が元に戻り、テーマが再現されます。

28小節目(テーマから数えて4小節目)から部分1とは異なる形に発展していきます。

31小節目の減七の和音を経過し、35小節目でF-durで全終止します。

部分4

36小節目の頭がミ♭であることからも、主調であるB-durに戻っていることが分かります。

ダイナミクスレンジはpに落ち、部分3のテーマとは雰囲気が変わります。

しかし、テーマを構成している要素という視点で考えてみると、

  • タイで繋がれた音符(付点4分音符+16分音符)
  • 順次進行で連なる16分音符

という要素はあり、テーマとの関連性を感じます。

その後、テーマとは異なる経過的なパッセージを経て展開し続けます。

52小節目で再びテーマが現れ、楽曲は終わります。


第18番はテーマが提示され、平行短調のテンポがゆっくりな部分があり、再びテーマが戻ってくる、というとても分かりやすい構成でした。

シ♭の運指を使い分けよう

B-durの楽曲になると、シ♭の演奏頻度がとても高くなりますね。

高いシ♭の運指は3つありますが、適切に使い分けていますか?

場面によって適切な運指を選びましょう。

(1) 一般的な運指

シ♭の運指(1)
シ♭の運指(1)

ラの運指に加えて、右手で横のキイの一番下を押す運指です。

どんなときでも使える標準的な運指を考えて良いでしょう。

ただし、場面によっては以下の運指を使うことが望ましいです。

(2) 半音階や順次進行で活躍

シ♭の運指(2)
シ♭の運指(2)

ラの運指に加えて、左手の薬指でキイを押す運指です。

左手のみで完結する運指で、半音階や順次進行を吹くときに最適な運指です。

51小節目の半音階はぜひこの運指を使ってください。

他にも6小節目最後のド→シ♭→ラ→ソのシ♭もこの運指を使うと良いでしょう。

標準的な運指だと、シ♭を吹くために急に右手が登場しますが、この運指を使えば左手のみでスムーズに吹くことができます。

ただし下の音からの跳躍ではほとんど使えないので注意しましょう。

例えば、高いソ→シ♭と吹こうとすると、左手の薬指を移動させる間に必ずラの音が入ってしまいます。

この場合は標準的な運指を用いましょう。

(3) 分散和音で大活躍「F1(エフワン)」

シ♭の運指(3)
シ♭の運指(3)

シの運指に加えて、右手の人差指を押す運指です。

一般的に「F1(エフワン)」と呼ばれる運指です。

ファの音と運指が似ているため、ファ←→シ♭の演奏では大変効率的です。

例えば29小節目の最後ファ→シ♭や、39小節目の4つ目からの音シ♭→ファ→シ♭で用います。

左手の中指・薬指を動かすだけでいいので、とてもスムーズに演奏ができます。

ただしF1のシ♭は特徴的な音色を持っているので、使う場面は選びましょう。

F1のシ♭の音色は、冒頭1小節目にはふさわしくないと思いませんか?


シ♭の運指についてはまた改めて記事を書こうと思います!

それではまた次回(^^)

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