第17番【ローズ『32のエチュード』を徹底解説】

ローズ『32のエチュード』を徹底解説
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こんにちは。お米を育てる音楽家、ジョーです。

引き続き、ローズ『32のエチュード』を1曲ずつ徹底解説していきたいと思います。

曲を解説するにあたり小節番号を用いていますので、小節番号を記入の上で読んでください。

このエチュードの概要については以下の記事をご覧ください。

テクニックも表現力も身に付く『32のエチュード』C.ローズ

構成

この曲は大きく4つの部分に分けて考えたいと思います。

小節番号部分調
1-9部分1B-dur → F-dur
10-21部分2B-dur
22-29部分3g-moll
30-41部分4B-dur

それぞれの部分を細かく見てみましょう。

部分1

1小節目からメロディー(レドシ…)が始まります。

これをテーマとしないのは、後に再現されないためです。

ただし、冒頭の「ターーラ(付点4分音符+8分音符)」というリズムは曲全体を統一させている重要な要素です。

2小節目にも「ターーラ」が現れ、その要素を強調しています。

7小節目の下行音型、8小節目の半音階による上行(非常に小さいカデンツァと考えることもできるでしょう)を経過し、9小節目で属調であるF-durで全終止します。

部分2

10小節目・11小節目の1拍目・2拍目のリズムは冒頭の要素である「ターーラ」になっているため、テーマが再現されるわけではありませんが、統一感が与えられています。

14小節目のラ♭によって一時的に下属調(Es-dur)へと転調します。

20小節目でリタルダントし、21小節目でB-durで全終止します。

音符と休符どちらにもフェルマータがついていますし、小節線も複縦線になっていることからも、次の部分と明確に吹き分けることが分かります。

部分3

22小節目からは平行調のg-mollに転調します。

部分3の終わり、29小節目まではずっとg-mollですので、全体として短調の雰囲気を維持しましょう。

部分1・2・4に現れる「ターーラ」という統一感を持たせるリズムが部分3にはないことからも、部分3は他の部分と全く異なる雰囲気を持つ部分であることが分かります。

部分4

ローズ『32のエチュード』の多くの曲ではここでテーマが再現されますが、この曲はテーマが再現されません。

しかし「ターーラ」というリズムを用いることによって統一感が与えられています。

最後はdolceでゆったりと曲を閉じます。

テンポは自由に伸び縮みさせよう

テンポは常に一定でなければいけない、早くなったり遅くなったりしてはいけないと思っていませんか?

それは全くの誤りです。

プロの演奏を聴いてみると、常にテンポが微妙に早くなったり遅くなったりしていることが分かります。

テンポは音楽によって常に微妙に変化しています。

例えば、この曲ではどの部分をどのように変化させたら良いのか考えてみましょう。

細かい音符の部分はゆっくり

3小節目の3拍目・4拍目は32分音符で非常に忙しくなっています。

これをインテンポ、つまりそのままのテンポでやろうとすると、かなり慌ただしく聴こえます。

だからと言って、ここが慌ただしくないテンポに設定すると、1小節目・2小節目が非常に間延びして聴こえます。

細かい音符が連続する時は、若干テンポを落とすつもりで、ていねいに演奏しましょう。

テンポに追われてバタバタ演奏するより、ていねいに落ち着いて演奏した方が上手に聴こえます。

もちろん急激に遅くするのはNGです。

長い音符の部分は速く

5小節目は2分音符+2分音符です。

これをテンポに忠実に従って演奏すると、少し間延びして聴こえてしまいます。

クレッシェンドしながらどんどん次へと向かう場面でもあるので、テンポをいくらか速めて、アッチェレランドして演奏してみましょう。

音楽に推進力が生まれ、生き生きとしてきます。

常にテンポは動いている

メトロノームに合わせて正確なテンポで演奏できる、というのは最も基本的な技術ではありますが、それでは音楽になりません。

メロディーやハーモニーに合わせて、自由にテンポを動かすこと、それこそが音楽です。

専門用語で「アゴーギク」といいます。

テンポどおりに吹けるようになったら、そこから音楽を作っていきましょう。

むしろ、そこから表現していくことが音楽といえるかもしれません。

それではまた次回(^^)

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