第16番【ローズ『32のエチュード』を徹底解説】

ローズ『32のエチュード』を徹底解説
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こんにちは。お米を育てる音楽家、ジョーです。

引き続き、ローズ『32のエチュード』を1曲ずつ徹底解説していきたいと思います。

曲を解説するにあたり小節番号を用いていますので、小節番号を記入の上で読んでください。

このエチュードの概要については以下の記事をご覧ください。

テクニックも表現力も身に付く『32のエチュード』C.ローズ

構成

この曲は大きく2つの部分に分けて考えたいと思います。

小節番号部分調
1-20部分1h-moll → h:V
21-48部分2h-moll

それぞれの部分を細かく見てみましょう。

部分1

1小節目からテーマ(ファシレド…)が提示されます。

テーマの主な特徴は以下のとおりです。

  • 連続する16分音符
  • 2つずつ繋がれたスラー(タラ、タラ、タラ、タラ…)
  • 装飾音符(シドシ)

上記の特徴の他にスタッカートの音もいくつか交えながらも、16分音符はしばらく連続します。

8小節目で一旦半終止し、その後もテーマの特徴を引き継ぎながら展開していきます。

再び、20小節目で半終止します。

部分2

再びテーマが現れる21小節目からを部分2とします。

4小節間(24小節目まで)は冒頭とほとんど同じように再現され、25小節目からは異なる方向へと展開していきます。

33小節目では冒頭の1オクターブ上でテーマが再び現れます。

40小節目で一旦全終止しますが、休符は短く、すぐに続いていきます。

コーダとして何回か同じ音型を繰り返して、この曲は終わります。


分析して分かるように、この曲はフェルマータや長い休符、全終止などによって明確に部分が分かれている部分がありません。

全体として、ひとまとまりで最初から最後まで駆け抜けるような曲になっています。

装飾音符の入れ方・運指

テーマに現れるシドシの装飾音符について説明します。

この曲ではテーマが何度も出てくるので、その度に装飾音符も出てきます。

装飾音符の質が曲全体の質に関わってくるので、要チェックです。

説明するのは以下の譜例の箇所です。

ローズ『32のエチュード』第16番 1小節目
ローズ『32のエチュード』第16番 1小節目

装飾音符は前に出そう

装飾音符(シド)は前に出して演奏します。

実際に演奏例を見てみましょう。

ローズ『32のエチュード』第16番 1小節目 演奏例
ローズ『32のエチュード』第16番 1小節目 演奏例

装飾音符が付けられた音符、つまり2拍目の頭の音に変化はありません。

装飾音符が付くことによって変化が生じるのは、装飾音符が付けられた音の前の音、つまり1拍目の4つ目の音のドの音です。

装飾音符をつけるために、ドの音を少し短くし、そこに装飾音符を入れます。

今回、解説するために装飾音符を音価に直して楽譜に表現しましたが、実際はテンポなどによって装飾音符の音の長さは自由に変化します。

装飾音符を入れるポイント

装飾音符をどのタイミングで入れたらいいのかは分かりました。

ではどうしたらきれに入れられるでしょうか。

いくつかポイントを見てみましょう。

  • テンポを変えない

装飾音符を入れることによってテンポが一時的に遅くなってはいけません。

骨格として元々の音符(16分音符の連続)があり、そこに装飾音符を挿入する、というのを忘れないでください。

装飾音符を取り払って元々の音符だけを吹く、という練習も大事です。

  • 装飾音符は短く、正確に

装飾音符はできるだけ短く、つめて演奏しましょう。

あまりにも装飾音符の音価が長いと、骨格の音符を飾っているという感じがなくなります。

装飾音符の音価が長くなるということは、その前の音(この場合はドの音)が短くなるということです。

あまりにも前の音が短くなりすぎると不自然です。

また、逆に音を認識できないほど短すぎては意味がありませんので、装飾音符の音がきちんと認識できる範囲内で、できるだけ素早く吹きましょう。

  • 装飾音符はさりげなく

装飾音符に意識を向けすぎるあまりに、そこが強調されて変に強く吹いてしまうというケースがよく見られます。

意識を向けることはたしかに大事ですが、装飾音符より大事なのは元々の音符です。

最優先して意識を向けるべきところは、元々の音符がきれいに吹けているかです。

装飾音符はさりげなく吹けるようにしましょう。

シドシの運指

この装飾音符を吹くとき、ちょっと運指に一工夫が必要です。

まず前提として、2拍目の頭のシの音は右手と左手、どちらでとっても構いません。

ぼくは右手でとるので、右手でシをとると仮定して説明します。

通常であれば、シ・ド♯・シと吹く場合、右手の小指・左手の小指・右手の小指と小指を入れ替える必要があります。

ただし、装飾音符のような速い音符の場合、右手の小指を押しっぱなしにしていても大丈夫です。

シ・ド♯・シの運指は以下のとおりです。

シ・ド♯・シの運指(速い場合)
シ・ド♯・シの運指(速い場合)

これであれば、シの運指のまま、左手の小指を押してあげるだけというシンプルな運指になります。

このド♯の運指はピッチが低くなるので、装飾音符のような速い音符のときや、他には第3音でピッチを下げて吹きたいときに使うといいかもしれません。

ぜひ試してみてくださいね!

それではまた次回(^^)

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