第14番【ローズ『32のエチュード』を徹底解説】

ローズ『32のエチュード』を徹底解説
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こんにちは。お米を育てる音楽家、ジョーです。

引き続き、ローズ『32のエチュード』を1曲ずつ徹底解説していきたいと思います。

曲を解説するにあたり小節番号を用いていますので、小節番号を記入の上で読んでください。

このエチュードの概要については以下の記事をご覧ください。

テクニックも表現力も身に付く『32のエチュード』C.ローズ

構成

この曲は4つの部分に分けて考えたいと思います。

小節番号部分調
1-16部分1(テーマ)D-dur
17-24部分2h-moll
25-32部分3(テーマ)D-dur
33-47部分4h-moll → D-dur
48-55部分5(テーマ・コーダ)D-dur

この曲はテーマがロンド形式のように他の要素を挟みながらテーマが何度も出てくるので、提示・再現という言葉は使わずに、そのままテーマと示しました。

それぞれの部分を細かく見てみましょう。

部分1(テーマ)

1小節目からテーマ(ラーソラシラファソ…)が提示されます。

5小節目で再び冒頭のテーマが現れ、展開していき8小節目で半終止します。

9小節目からは新しいメロディーが展開されますが、テーマと同じリズムを用いていることも見逃せません。

13小節目で再び冒頭のテーマが現れ、16小節目で全終止します。

テーマに注目してみると、部分1の16小節間は、4小節ずつ、A-A'-B-A''という関連を持って構成されています。

部分2

17小節目からダイナミクスレンジはf、調はh-mollになって新しい部分が始まります。

17小節目・18小節目は8分音符ごとに拍が強調されるような、力強いキャラクターが印象的です。

それに対して19小節目・20小節目は順次進行のスラーの動きによる穏やかなキャラクターで、前のそれと対比が感じれらます。

21小節目・22小節目は再び力強いキャラクター、23小節目・24小節目は穏やかなキャラクター、と2小節ごとに頻繁に変化します。

部分2の8小節間はh-mollから転調することはなく、h-mollで終止します。

部分2は調はh-mollかつダイナミクスレンジはfで統一されながらも、2つのキャラクターが混在している部分です。

部分3(テーマ)

25小節目から、再びテーマが現れます。

部分1は16小節ありましたが、部分3は8小節です。

部分1は4小節ごとにA-A'-B-A''でしたが、ここの部分3は部分1のA-A''に相当します。

音が違う箇所はA''の最後の1小節のみ、あとはアーティキュレーションの違いがちらほらとあります。

部分3は、部分1のテーマの部分を中心に抽出した、部分1の短縮形と考えられるでしょう。

部分4

33小節目から、新しいメロディーが現れます。

再び部分2と同じ調であるh-mollになりますが、部分4はダイナミクスレンジがpです。

音価も8分音符が中心で、この曲の中でテーマと最も対比されている部分と言えます。

40小節目で半終止した後、41小節目からは突然fになり、対象的なキャラクターになります。

そのままテーマの要素へと向かって展開し、次の部分(テーマ)へと流れ込みます。

セーニョ記号

47小節目の終わりにセーニョ記号が、そして冒頭にもセーニョ記号があります。

本来であればセーニョ記号はD.S.(ダル・セーニョ)の指示によって戻る場所に書かれていますが、この曲でそれに相当するものは冒頭のセーニョ記号の方です。

47小節目に書かれているセーニョ記号はダル・セーニョと考え、47小節目まで吹いたら冒頭まで戻り、最後まで演奏する、と推測します。

戻る部分にもセーニョ記号を用いるのは昔の記譜法なのでしょうか、ちょっとぼくも勉強不足です…。

部分5(テーマ・コーダ)

48小節目から再びテーマが現れます。

52小節目からはテーマから発展し、終止へと向かって進んでいきます。

クレッシェンドして、華やかにこの曲を閉じます。


曲中にテーマがはっきりと3回現れるのは、ローズのエチュードでは初めてです。

ローズのエチュードではA-B-A、つまりテーマが提示され、他の要素を挟み、テーマが再現される、という形式が多いですが、それに対してこの曲はA-B-A-C-Aのような、ロンド形式のような形式をとっています。

ポロネーズのテンポで

この曲の速度記号に注目してみましょう。

Tempo di Polacca

と書かれています。

この指示にしたがって演奏することが重要です。

Tempo di Polaccaってなに?

polaccaはイタリア語で、フランス語で言えば「ポロネーズ polonaise」です。

ポロネーズと言えばなんとなく聞いたことがある言葉かもしれませんね。

Tempo di Palaccaは「ポロネーズのテンポで」という意味になります。

つまり、この曲はポロネーズです、ということです。

ポロネーズってなに?

ポロネーズで演奏しないといけないというのは分かりましたが、じゃあポロネーズってなんなんでしょう?

ポロネーズとはポーランド起源のダンスまたはそのための曲のことを指します。

つまり、ポロネーズと言われたら曲のテンポやリズムが決まってきます。

ポロネーズは、ゆったりとした4分の3拍子で、1拍目が16分音符によって細分化されているのが特徴です。

一般的なポロネーズのリズムは以下のとおりです。

一般的なポロネーズのリズム

ポロネーズで演奏しよう

ポロネーズがどういうものか分かったところで、このメロディーに最適なポロネーズの伴奏をつけてみましょう。

ポロネーズの伴奏を付けると…

このように見てみると、ポロネーズの特徴である1拍目のリズムがよく分かるように、メロディーの1拍目が動いていないことが分かります。

なんとなくラーと伸ばすのではなく、このポロネーズのリズムを感じながら演奏しましょう!

いろんなポロネーズを聴こう

ポロネーズをポロネーズらしく吹くには、ポロネーズのことをよく知っていないといけません。

ぜひいろいろなポロネーズを聴いてみてください。

有名なのはショパンの『英雄ポロネーズ』や『軍隊ポロネーズ』です。

冒頭はちょっと分かりにくいですが、曲が進むとこれぞポロネーズ!という分かりやすい部分があります。

ぜひ聴いてみてくださいね。

それではまた次回(^^)

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