西平直・著『稽古の思想』を音楽家が読んでみた

音楽
スポンサーリンク

こんにちは。お米を育てる音楽家、ジョーです。

今日ご紹介するのは西平直さんの『稽古の思想』という本です。

早速見てみましょう。

本書の特徴

書籍の名前は『稽古の思想』です。

お稽古といったら、「ピアノのお稽古」とか「おことのお稽古」など、習い事に使う言葉ですよね。

ぼくも音楽のお稽古に関係する人として、この本に興味を持ちました。

では、この本はどういう人が書いているのでしょうか?

ピアノの先生?音楽大学の教授?

いえいえ、違います。

この本の著者の西平直さんの専門は教育人間学・死生学・哲学です。

ですから、この本はお稽古のやり方やノウハウが書かれているような実用的な本では決してありません(笑)。

この本は主に哲学という側面から稽古というものについてアプローチしている本です。

実際にどんな内容か、目次を見てみましょう。

いかにも哲学っぽい感じがします…!

目次

はじめに

I うまくゆく時、ゆかぬ時
 第1章 「気にする」のか「気にしない」のか

II スキルとアートと脱学習
 第2章 スキルとアート
 第3章 「似得る」──世阿弥の知恵(1)
 第4章 脱学習 unlearn

III 型と身体
 第5章 からだ──生きられる身体
 第6章 型の稽古──ハプニングに対応する身体を育てる
 第7章 心身一如

IV 身体知と特殊な二重性(二重の見)
 第8章 フローとゾーン
 第9章 離見の見──世阿弥の知恵(2)
 第10章 場のポテンシャルエネルギー

V 稽古とその成就
 第11章 成就と日常
 第12章 修証一等

おわりに

文献案内

あとがき

図解が分かりやすい

全体として言葉の使い方は少し複雑ですが、要所要所で示される図は非常に簡潔で分かりやすいものになっています。

以下の図は第2章で提示される図です。

まずは①技術を習得し、②それを手放して自由になると、③アートが生じてくる、ということを説明している図です。

哲学的な要素は文字だけだとなかなか分かりにくいですが、図として整理すると実は結構シンプルで、図が理解の大きな助けになっています。

こんな人に読んで欲しい

本を読み進めていくと、上述した考え方を世阿弥の思想や禅の道元禅師の思想とも照らし合わせて考えることになります。

つまり、稽古を考えることを通して、東洋的な思想を紐解いていくことに繋がります。

そういう深い部分を勉強してみたいという人にはオススメの一冊です。

研究者が書いた本ということもあり、興味のある部分があれば参考文献をたどって更に追究することもできます。

勉強熱心な方にはぴったりの本です。

ただし、やはり内容が内容なだけに、スラスラと読み進められる内容ではありません。

何気なく使っている言葉を改めて定義したり、区別して使っているあたりは、少し難解ではあります。

(例えば「身体」と「からだ」は定義して使い分けられてます。)

ぼくは1回読んだだけなので、もう1回は読んでもう少し理解を深めたいと思っているところです。

まとめ

音楽家はいろいろなタイプの人がいますが、いろんな本を読んで勉強するのが好きな音楽家にはぴったりの本です。

そしてお稽古を受ける側の生徒でも、お稽古について深く考えるいい機会になる本だと思います。

ぜひ読んでみてくださいね!

それではまた次回(^^)

スポンサーリンク