『革命と戦争のクラシック音楽史』を読んでみた

音楽
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こんにちは。お米を育てる音楽家、ジョーです。

今日は片山杜秀さんの『革命と戦争のクラシック音楽史』という本をご紹介します。

本書の特徴

帯に大きくこのように書かれています。

「世界史×音楽史」の白熱講義!

近年、音楽史と西洋史を関連付けた本や、音楽史と社会との関係が書かれている本が少しずつ見られるようになった気がします。

この本もそのひとつと言えるでしょう。

その中でも本書は「革命と戦争の」とタイトルにあるように、歴史の中でも革命・戦争と音楽を関連付けているところが特徴です。

また、構成にも特徴があります。

音楽史や世界史というと、古い時代から現代へと順を追って説明されるものが一般的です。

しかし本書は4人の作曲家を扱い、その作曲家を中心に関連する人物・楽曲・革命・戦争・社会情勢などが書かれています。

以下の目次も参考にしてください。

目次

 序章 暴力・リズム・音楽
    芸術の神は砲声を喜ぶ
    戦いにリズムありき
    名作は戦争から生まれる
    戦争と音楽はぐるぐる回る
    音楽史はナイーヴではありえない

第一章 ハプスブルク軍国主義とモーツァルト
    モーツァルトの軍隊調
    「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」は軍歌
    落日のハプスブルク帝国
    軍国プロイセンの台頭
    文化芸術を愛したフリードリヒ二世
    ハプスブルク帝国の軍国主義
    マリア・テレジアの執心
    軍国の作曲家、モーツァルト
    トルコ行進曲の世界
    トルコ軍楽はうるさい!
    オスマン帝国の野望
    オスマン、ウィーンを包囲する
    オスマン、ウィーンを楽します
    墺土戦争とモーツァルト

第二章 フランス革命とベルリオーズ
    虚無と狂乱の『幻想交響曲』
    ロマン派音楽としての『幻想交響曲』
    ロマンティストの自己暴露の儀式
    ギロチンへの行進
    なぜパリの聴衆は熱狂したか
    自由・平等・友愛
    革命は輸出可能!
    愛国心は外敵に向けて生ずる
    『ラ・マルセイエーズ』
    フランス革命と軍隊
    民衆の軍隊は歌うと強くなる
    ギロチンとチェンバロ
    ギロチンと弁護士
    ナポレオン時代から七月革命へ
    七月革命と『幻想交響曲』
    『幻想交響曲』成立の前提条件
    ゴセックとベートーヴェン

第三章 反革命とハイドン
    交響曲『バスティーユ襲撃』
    盛り上がるには準備がいる!
    引用の魔力と詐術
    映画『二百三高地』と信時潔の『海ゆかば』
    革命の時代に見合った音楽
    目には目を、歯には歯を、歌には歌を
    帝国臣民を興奮させる歌
    イギリス王になったハノーファー選帝侯
    イギリス国歌『神よ、国王を護り賜え』
    ハイドンの『皇帝賛歌』
    ハイドン、失業する
    ハイドン、ロンドンへ行く
    市民向きに変化した音楽
    ロンドン趣味を持ち帰ってみたら

第四章 ナポレオン戦争とベートーヴェン
    受け手が限定的だった時代
    新しい時代は新しい才能を求める
    ベートーヴェン登場
    ピアノ・ソナタ第八番『パテティック』
    「パテティック」の本義
    新時代にみんなを感動させる方法
    ベートーヴェンとナポレオンの共通点
    グラーヴェと葬列
    ベートーヴェンの発明
    フランス革命と葬送行進曲
    交響曲に入り込む葬送行進曲
    オペラを超えるオペラ
    個人でなく集団
    革命精神の象徴
    合唱がもたらす効果
    バスティーユ襲撃と『フィデリオ』
    無限の戦争か、永遠の平和か
    『ラ・マルセイエーズ』から「歓喜の歌」へ
    ユートピアの世界

    本書関連年表

地図や音楽を用意して読みたい

本書がカルチャーセンターで行われた講座の内容を再構成したものであるせいか、少し残念なところがあります。

それは、地図や譜例が全くなかったところです。

ぼくは西洋史についての知識はかなり乏しく、脳内で昔のヨーロッパの地図を再現することができません…。

そのような人にとっては、西洋史の本を片手に地図と内容を照らし合わせて読むと、より理解できるでしょう。

また、楽曲の説明の場面でも譜例は全くないため、分からない曲は実際にYouTubeで音楽を聞いてみたり楽譜を見たりする必要があるかもしれません。

こんな人に読んで欲しい

西洋史はざっと分かるけど、改めて西洋史(本書では特に革命・戦争)と音楽がどのように関連しているのかを確認したいという人にはおすすめです。

本書では4人の作曲家が扱われましたが、他の作曲家でも同じような視点で考えることができるでしょう。

作曲家とその周辺の西洋史を理解することによって、音楽を表現する上で新しい発見があるかもしれません。

また、世界史は分かるけど音楽のことは分からないという人は、この本を読むことによって、音楽のことを好きになるきっかけとなるかもしません。

世界史・音楽史ともに深い内容まで踏み込んでいるわけではありませんので、どちらも十分に理解している人にとっては物足りない内容だと思われます。

まとめ

クラシック音楽を理解するためには、西洋史の理解が必要不可欠です。

このような本を読みながら、少しずつ西洋史の勉強もできればいいなと思っています。

みなさんもぜひ読んでみてくださいね。

その他の音楽に関する本の紹介の記事はコチラからご覧ください。

それではまた次回(^^)

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