箏(こと)は何が楽しい?西洋音楽と日本音楽の違いは?

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こんにちは。お米を育てる音楽家、山代丞です。

以前、魁新報(さきがけ新聞)に取材していただきました。

今日はその時に記者の方に聞かれた質問、箏(こと)はなにが楽しいか?について書いてみたいと思います。

箏(こと)は何が楽しい?

ぼくは大学ではクラリネットを専攻していましたが、大学院から箏(こと)を始め、現在も続けています。

そのことを話すと、記者の方に「箏はクラリネットと違って何が楽しいですか?」という質問をされました。

結論としては、西洋音楽と日本音楽が全く異なるから楽しい、と言えます。

では西洋音楽と日本音楽はどのように違うのか、みてみましょう。

西洋音楽と日本音楽の違い

大学で専攻していたクラリネットは西洋の楽器で、箏(こと)は日本の楽器です。

ここからも全く異なる楽器であり、全く異なる音楽を演奏するということは容易に想像ができるでしょう。

もちろんクラリネットを演奏する上で身につけた音感はとても役に立ちましたが、西洋音楽的な感覚で日本の音楽を演奏しようとすると滑稽なことが起きてしまいます(笑)。

では具体的にどんなところが違うのか、見てみましょう。

今回は大きく2つ、取り上げてみます。

リズムの感覚

今でも難しいと感じていることがあります。

それが「リズムの感覚」です。

ぼくは西洋音楽を専門に勉強してきたため、感覚的に身についているのは西洋音楽のリズムです。

また私たちが日常生活でよく耳にするJ-POPなどもクラシックを源流とするリズム体系であると言えます。

つまり、日本人(特に若者)のほとんどの人は日本音楽のリズムの感覚は全く持ち合わせていません。

例えば、クラシック音楽を指揮する時を考えてほしいのですが、拍の打点を叩くと同時に手が跳ね上がることが分かります。

それはボールが跳ねる様子と似ていますね。

ざっくりいうと、西洋音楽のリズムは「跳ねる」というイメージで捉えられると思います。

それに対して日本の音楽は、重い・軽いの連続のような感じです。

例えば、演歌で手拍子をするとき、手をタン・タン・タン・タンとリズムカルには叩かず、1拍目でしっかりと手を合わせて2拍目で離す、という手拍子だと思います。

しっかりと手を合わせる1拍目が重い拍、手を離す2拍目が軽い拍です。

※演歌=日本音楽ではありませんが、日本音楽の性格もいくらかは持ち合わせているのでここでは演歌を用いて説明しました。

このリズムの感覚はクワで畑を耕す作業に似ています。

クワを畑に振り下ろした時が1拍目、そのクワを上げるのが2拍目です。

1拍目がしっかりと重さがあることが分かると思います。

再び西洋音楽に戻りますが、西洋音楽の場合はクワのように重さが残ることはありません。

違いがおわかりいただけたでしょうか。(なかなか文章での説明が難しい…。)

この日本のリズムの感覚は、未だに分かるようで分からないです。

この派生ですが、連続する2つの音には重い・軽いの差が出てきます。

この結果は音量ではなく、リズムの変化として現れてきます。

重い音符は長く、逆に軽い音符は短く、つまりスイングのようなリズムになります。

とは言っても単純に音の長さをタータ・タータとするだけでは音の重い・軽いの表現にはなりません。

(リズムだけで表現してしまうと、スイングしただけの滑稽な日本音楽になります。)

リズムによる表現もいい塩梅で加えながら、日本らしいリズム感を表していく…。

なかなか難しい作業です。

日本のリズム感については以下の書籍が参考になります。

不思議なハーモニー

西洋の音楽は和音(ハーモニー)がついています。

J-POPを聴いても分かりますが、歌の後ろの伴奏は和音になっていることが分かります。

もちろん和音がないポリフォニーの音楽などもありますが、その裏にはしっかりと和音が隠れています。

これに対して日本の音楽は和音の概念がないと言えるでしょう。

ないというわけではないのかもしれませんが、少なくともぼくには和音を感じる重要性があるとは感じていません。

日本の音楽はヘテロフォニーという音楽です。

簡単にいうと、同じ旋律を演奏しているかのようで、それぞれが微妙に異なっていて、そのズレによって音楽に味わいが出る、というものです。

この微妙に異なるというのがポイントです。

片方が1拍早く次の音に移ったり、片方が次の音に行く前に他の音に寄り道してみたり、片方がぜんぜん違う音を入れてみたりなど、方法はいろいろあります。

しかしそれはお互いが全く異なって独立しているのではなく、同じようで微妙に異なるのです。

その異なり方は微妙なため、半音や全音でぶつかることが多いです。

例えば箏(こと)がラーファミと弾いているのに対して歌がラーソミと歌うため、ファとソが一瞬ぶつかります。

西洋音楽では半音や全音は不協和音程として頻繁には用いられませんが、日本の音楽ではこのぶつかりこそ面白さと言えるでしょう。

全く異なる2つの融合

西洋音楽と日本音楽は全く相反するものだということが分かりましたが、それらが融合することは可能なのでしょうか。

現代においてはクラリネットで日本の音楽を演奏することもあります。

反対に日本の楽器でクラシックを演奏したり、クラシック音楽に日本の楽器が取り入れられることもあります。

こうなってくると、どちらも勉強しているぼくにとっては有利な分野になってきます(笑)。

今後の展望としては、二十五絃箏の習得とその演奏活動に力を入れていきたいと考えています。

二十五絃箏は全音階で調律された弦が25本あるため、ピアノに似たような感覚で弾けます。

しかし音色は箏ですし、箏らしい特徴的な奏法も可能ですので、そういった部分では個性は全く失われていません。

いつか演奏もお披露目できると思いますので、お楽しみに(^^)

日本の音楽も知ってほしい

みなさんは箏(こと)の演奏を聴いたことはありますか?

テレビで見たり動画で見たことはあるかもしれません。

でも実際に生の演奏を聴いたことがある人はとても少ないと思います。

実際にぼくも箏を始めて聴いたのは17歳くらいのときに1回、その後大学の授業で数えるくらいでした。

しかし、箏を実際に聴ける機会ってなかなかないですよね。

山代丞音楽教室では箏の体験レッスンをしていますので、ぜひ実際に音を聴いてみたり弾いてみたりしてください。

レッスンの詳細については以下のページをご覧ください。

それではまた次回(^^)

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