こんにちは。お米を育てる音楽家、ジョーです。
今日、紹介するのはディディエの『クラリネット奏者のための音階 第1巻(19世紀の音楽)』です。
ぼくは大学生の時に主にこのディディエを使ってスケール練習をしていました。
それではディディエの特徴を見てみましょう。
本書の特徴
最も特徴的なのは、全ての音程の練習ができるということです。
どういうことかというと、
- 2度音程(ドシド・レドレ…)
- 3度音程(ドミ・レファ…)
- 4度音程(ドファ・レソ…)
- 5度音程(ドソ・レラ…)
- 6度音程(ドラ・レシ…)
- 7度音程(ドシ・レド…)
- 8度音程(ドド・レレ…)
と2度からオクターブまで、全ての音程による練習が書かれています。
また、短調は和声的短音階を用いていることも特徴です。
パターンはとしては、全ての音程があり和音も複数あり、豊富と言えるでしょう。
豊富な内容でありながらも1つの調は見開きで完結しているので、便利で練習しやすく分量的にもちょうど良いです。
シャープやフラットは調号で記されているものが多いですが、ディディエは全て臨時記号で書かれています。
シャープやフラットが多い調になると楽譜が混み合うため見にくいと感じる人もいると思いますが、うっかり音を間違えるというのが減るというメリットもあると思います。
音域 | 最低音~高いシ♭(省略することも可能) |
スケールの順番 | C-dur、その平行調(a-moll)、その下属調(F-dur)、その平行調(d-moll)、→G-dur、e-moll |
短音階 | 和声的短音階(付録として旋律的短音階も有り) |
パターン | スケール、2度音程~8度音程、主和音3種類、属七の和音、導七の和音、導七の和音からの属七の和音、ロッシーニの分散和音 |
内容
推薦のことば(Ulysse Delécluse)
序文
C-dur
a-moll
F-dur
d-moll
…
G-dur
e-moll
旋律短音階(全調)
半音階の練習(短2度音程~8度音程、長三和音、短三和音、属七の和音、導七の和音、減七の和音)
和音の連続
1つの調をていねいに練習するならコレ
全ての音程をていねいに書いてくれている教本は、意外と少ないです。
そういう意味でも、ディディエのスケールは他の教本に取って代わることのない、重要なスケール教本の1冊として考えることができると思います。
音程もそうですが、和音の練習も充実しているので、1つの調に対して多方面からていねいに練習することができます。
普段のスケール練習として用いるのももちろん良いですが、今やっている曲の調をこのディディエを使って練習すると良いと思います。
1つの調に対してもっと徹底的に練習したい!というのであれば、さらに充実したスケールはあります。
だたし、普段の練習に取り入れやすい分量として考えるのであれば、見開きで1つの調が完結するくらいが適切かなと個人的には思います。
たまには旋律短音階も
ディディエのスケールは和声的短音階が基本となっています。
旋律短音階を中心としたスケール教本が多いので、ディディエのスケールをやったとき、増2度音程の運指に苦戦するようです。
ディディエのスケールばかりやっていると、旋律的短音階の練習が必然的に少なくなります。
たまには気分を変えて、付録の旋律的短音階のページをやったり、他のスケールを併用したりして、旋律的短音階ってなんだっけ?とならないようにしましょう(笑)。
半音階練習もオススメ
意外と見落とされがちですが、巻末の半音階の練習もとてもオススメです。
やはり短2度から完全8度まで、半音刻みで全ての音程が網羅されています。
運指はかなり複雑で難しくなりますが、それだけ力がつく内容です。
上級者はこの練習を日課に取り入れてもいいかもしれません。
今回紹介したのはディディエの第1巻、つまり第2巻もあります。
それはまたの機会にご紹介します。
それではまた次回(^^)