こんにちは。お米を育てる音楽家、ジョーです。
今日はクラリネットの運指で気をつけることをお伝えしたいと思います。
改めて、運指について考えてみましょう。
運指表と仲良くなろう
クラリネットがある程度吹けるようになれば、もう運指表なんていらなーい!と思っている人もいるかもしれません。
本当にそうでしょうか?
ぼくはクラリネットを長い間吹いてきましたが、そんなぼくでも今でも運指表をにらめっこすることがたまにあります。
曲に合わせて適切な運指を選ぶことはとても大切です。
もしかしたらあなたの知らない運指があるかもしれません。
時には運指表を見て、適切な運指を使っているか考えてみてくださいね。
運指に関する4つのポイント
クラリネットの運指は、同じ音でも複数の運指があるものがあります。
そのような場合、適切な運指を選択する必要があります。
その際に、どのようなことに気をつけて運指を決めたらいいのか、ポイントを4つお伝えします。
(1) 小指は交互に使う
クラリネットは小指が担当しているキーが複数あります。
このキーを操作する時に、小指は交互に使う必要があります。
つまり、連続して同じ小指を使ってはいけません。
連続して同じ小指を使うということは、小指をすべらせるということです。
小指をすべらせるのはダメです。
例としてE-durのスケールの後半、シ→ド♯→レ♯→ミを見てみましょう。
以下は悪い例です。

この運指は右手の小指を連続して使っています。
これでは音と音の間に不必要な音が入ったり、指をすべらせなければいけなかったりして、全くダメです。
正しい運指は以下のとおりです。

シを右手で、ド♯を左手でとります。
考え方としてはこうです。
- レ♯は右手の小指でとる必要がある
- その前の音は左手の小指でとる必要がある
- つまりレ♯の前の音のド♯は左手でとる
- その前の音は右手の小指でとる必要がある
- つまりシの音は右手の小指でとる
- 結果として、シ→ド♯→レ♯は右→左→右になる
このように前後関係を考えて、小指を交互に使うようにしましょう。
小指のキーは右と左で連動していますので、その特性をよく理解して、上手に小指を使いこなしましょう。
(2) 押すか離す、どちらかにする
運指は2つの動き、すなわち指を押す動きと、指を離す動きがあります。
ある指を押して穴を塞ぐのと同時に、ある指を離して穴を開ける、という異なる動きを同時にしないようにしましょう。
押す、あるいは離す、なるべくこのどちらかの動きに統一できるようにします。
以下は統一できていない悪い例です。

ファからファ♯に移る時に、
- 右手中指を押して穴を塞ぐ
- 右手人差し指を離して穴を開ける
という相反する動きを同時にしています。
この場合は以下の運指を用いましょう。

この運指であれば、
- 右手薬指を押す
というシンプルな動きにすることができます。
この項目について、以下の記事の後半で実際にエチュードを用いて解説しています。
合わせてご覧ください。
(3) 開放の時は右手を塞ぐ
以下の音を吹く時、基本的にこのような運指を使っているでしょう。

しかしこれらの運指は、このまま使わず、右手を塞ぐことをオススメします。
理由は以下のとおりです。
- 楽器が安定しない
- 右手を塞ぐことによって、楽器をより安定させて持つことができる
- 音色が良くない
- 右手を塞ぐことによって、音色が改善する場合がある
- シなどの指をたくさん押す音とつながりにくい
- 右手を塞ぐことによって、その差を少なくしてつながりやすくすることができる
- ピッチが上がりやすい
- 右手を塞ぐことによって、ピッチを下げることができる
以上の理由から、右手は塞ぐようにしたほうがいいでしょう。
例えばソであれば右手で塞ぐ穴(人差し指・中指・薬指)のいずれか2つを押すと音抜けが改善されることが多いです。
楽器によって違いはありますので、自分の楽器が一番なる指使いを探すといいでしょう。
ソ~シ♭の運指については以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
(4) 片手のみで完結させる
クラリネットは両手の指を駆使して演奏します。
その際に、右手の指と左手の指を同時に動かす、という動きはなるべく排除した方が良いです。
できるだけ、片手の指を動かすだけでよい運指を探しましょう。
例えば以下の場合を考えてみましょう。

この場合だと
- 左手の小指を離す
- 右手の人差し指・中指・薬指を離す
というように、両手の指を動かす必要があります。
そこで以下の運指に変えてみましょう。

この場合だと
- 右手の人差し指・中指・薬指・小指を離す
という片手の動きで完結します。
この例の用に、右手の小指を使うことによって片手の動きで完結する場合が多くあります。
運指を研究しよう
以上、運指に関するポイントを並べてみました。
特に前半2つは初歩の段階から必ず守ってほしい項目です。
後半2つについては、ある程度吹けるようになってから改めて考えても良いでしょう。
これらの4つのポイントは全ての場合で当てはまるわけではありません。
自分の音をよく聴いたり、前後の音の関係から考えたり、周りのピッチとのバランスを考えたり、いろいろな要素を考慮して決める必要があります。
迷った時は先生に相談してみてください。
ではまた次回(^^)