レ♭からシ♭の運指を考える──2019年度課題曲IIIを例に──

クラリネット
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こんにちは。お米を育てる音楽家、ジョーです。

今回はクラリネットの運指について考えてみます。

記事の後半では、実際に曲でどのような運指を使ったら良いのか、一緒に考えてみましょう。

レ♭からシ♭の運指

以下の音、レ♭からシ♭の運指を考えてみましょう。

レ♭からシ♭の運指を考えてみる
レ♭からシ♭の運指を考えてみる

シ♭の運指は標準的な運指を使うこととします。

レ♭は左手の小指で取る方法と右手の小指で取る方法、2種類ありましたね。

それぞれ見てみましょう。

レ♭を左手で取る

まずはレ♭を左手の小指を使った場合の運指を考えてみましょう。

レ♭で左手の小指を使った場合
レ♭で左手の小指を使った場合

このような運指になります。

右手の小指について
右手の小指でドのキーを押しても構いません。ただし、このキーは左手の小指のキーと連動しているので、左手の小指を押せば自動的にドのキーを押していることになります。

この運指が問題なくできれば一番いいのですが、実はこの運指にはちょっと難しいポイントがあります。

シ♭は左手の親指と人差し指を使う運指です。

そのことを考えて、レ♭からシ♭に移る際のそれぞれの左手の指の動きを見てみましょう。

左手を使ったレ♭からシ♭に移る際のそれぞれの左手の指の動きは

  • 親指…レジスターと穴を押す→レジスターのみ押す
  • 人差し指…穴を塞ぐ→ラのキーを押す
  • 中指…穴を塞ぐ→離す
  • 薬指…穴を塞ぐ→離す
  • 小指… キーを押す→ 離す

というように、5本がフル稼働する運指になります。

薬指とか小指って、なかなか思うように動かないですよね。

中指・薬指・小指を同時に動かす、ここがちょっと難しいポイントです。

レ♭を右手で取る

次に、レ♭を右手の小指を使った場合の運指を考えてみましょう。

 レ♭で右手の小指を使った場合
レ♭で右手の小指を使った場合

このような運指になります。

この場合、左手のそれぞれの指の動きは

  • 親指…レジスターと穴を押す→レジスターのみ押す
  • 人差し指…穴を塞ぐ→ラのキーを押す
  • 中指…穴を塞ぐ→離す
  • 薬指…穴を塞ぐ→離す
  • 小指…離したまま

という動きになります。

左手の小指の動きがなくなり、4本の指が稼働することになります。

左手の小指の分は右手でやっている、ということです。

ほとんど同じですが、この小指1本の違いが大きな違いになります。

右手は…?

ところで、右手はどのような運指になるのでしょうか。

シ♭を吹きながら右手の指を動かして穴を塞いだりキーを押したりしてみてください。

多少の音色の変化やピッチの変化はありますが、だいたいはシ♭の音がしますね。

つまり、レ♭からシ♭に音が変わったとしても、右手はそのまま放置(押しっぱなし)で大丈夫です。

そう考えると、小指は右手で担当して置いたほうが楽ですよね!

もちろん上級者の方はシ♭ができるだけ良い音になる運指を使うことが望ましいです。

シ♭のよくなる運指についてはこちらの記事も合わせてご覧ください。

音が良くなる!ソ~シ♭の運指

音が良くなる!ソ~シ♭の運指

2019年度課題曲IIIを例に

それではレ♭→シ♭の例として、実際に曲を用いて見てみましょう。

2019年度 全日本吹奏楽コンクール課題曲
III 行進曲「春」/福島弘和

クラリネット3rd、115小節目・116小節目の楽譜です。

2019年度課題曲III、クラリネット3rd、115小節目・116小節目
2019年度課題曲III、クラリネット3rd、115小節目・116小節目

小節をまたぐところにレ♭→シ♭という動きがあります。

この音だけに注目すると、たしかにレ♭は右手でとった方が良さそうです。

しかし次の116小節目を見てみると、シ♭→ド→レ♭→ミ♭→ファという音になっています。

ミ♭は右手で取るので、レ♭は左手、ドは右手でとる、ということになります。

そうなると、115小節目のレ♭は右手で取っても、116小節目のレ♭は左手で取る必要がでてきます。

R・Lを書き込むとこうなります。

R・Lを書き込むと…
R・Lを書き込むと…

113小節目からも見てみよう

さらに前、113小節目からも見てみましょう。

2019年度課題曲III、クラリネット3rd、113小節目~116小節目
2019年度課題曲III、クラリネット3rd、113小節目~116小節目

114小節目はファ→ソ→ラ→シ♭→ドという音になっています。

このシ♭→ドの時、ドは右手の小指で取ります。

ドを左手で取ることになると、シ♭→ドの時に、左手の小指も動かすことになり、上記で説明したような5本がフル稼働という状態になります。

そうなると、114小節目のドと115小節目のレ♭、どちらも右手の小指で取る必要がでてきます。(Rの連続)

タンギングするので、そのタイミングでピッと指を移し替えてもいいのですが、それはかなりリスクがあります。

115小節目のレ♭を右手でとりたいのであれば、114小節目のドを左手で取るのが無難でしょう。(Rの連続の回避)

となると、せっかく避けた114小節目のシ♭→ドで左手の小指が忙しい問題が起きてます。

R・Lを書き込むとこうなります。

R・Lを書き込むと…
R・Lを書き込むと…

うーん、全部はうまくいかないですね…。

結論

このメロディーの場合、レ♭は左手で取るのが良いでしょう。

R・Lを書き込むと以下のようになります。

このメロディーの場合、レ♭は左手で取るのが良い
このメロディーの場合、レ♭は左手で取るのが良い

ドは右手、レ♭は左手、とシンプルな運指になりました。

いろいろ考えてみましたが、まぁまぁありきたりな、標準的な運指になりましたね(笑)。

曲に合わせて運指を考えよう

今回の例では左手でレ♭を取る、という結論に至りました。

しかし、例えば以下の譜例の場合はどうでしょうか。

この場合はレ♭を右手で取った方が良い
この場合はレ♭を右手で取った方が良い

仮にレ♭を左手で取った場合、左手の小指がとても忙しくなります。

この場合はレ♭を右手で取った方が良いでしょう。

右手は押しっぱなしでOKです。

前後の繋がりから運指を考える

運指を考える際に、隣の音との繋がりを考えることはとても重要です。

しかしそれだけで終わらず、さらにその前後の繋がりも考えてみましょう。

全体として効率的に吹ける運指を、自分が吹きやすい運指を探してみてくださいね。

運指については以下の記事も合わせてご覧ください。

その運指、適切?運指に関する4つのポイント

それではまた次回(^^)

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