秋田麻早子『絵を見る技術』を読んでみた

書籍
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こんにちは。お米を育てる音楽家、山代丞です。

今日は本屋さんで見かけて気になって、つい買ってしまった本をご紹介します。

秋田麻早子さんの絵を見る技術 名画の構造を読み解く という本です。

本書の特徴

帯の下部にはこのように書かれています。

どうしてこの絵に

惹きつけられるんだろう?

ぼくは美術が好きで、美術館によく行きます。

そこで絵を見ると「う~ん、いいね~!」と思うのですが、「どこがいいの?何がいいの?」とツッコまれると返答に困ってしまいます。

バランスが良い気がする、色がきれいな気がする、となんとなくは思うものの、それ以上は説明できません。

その「なんとなく、良い…」を「こうでこうだから、良い!」と言えるような絵を見る技術を教えてくれるのが本書です。

具体的にどんなアプローチで絵を見る技術を習得していくのか、目次も見てみましょう。

目次

序章 君は見ているけど、観察していないんだ、ワトソン君――ビジュアル・リテラシー
名画をちゃんと見られるようになりたい!
この本で見えるようになること

第1章 この絵の主役はどこ――?フォーカルポイント
絵の主役、「フォーカルポイント」の探し方
集中と分散
新たな疑問――焦点が二つある絵?

第2章 名画が人の目をとらえて放さないのはなぜか?──経路の探し方
名画は「角」を避けている――周回路
画面の両サイドにも危険が潜む――ジグザグ経路
大事なものから放たれる視線――放射型の経路
視線誘導の細かな工夫

第3章 「この絵はバランスがいい」ってどういうこと――?バランスの見方
線のバランス――リニア・スキームで見る
バランスは名画の絶対条件――左右対称の絵
ラファエロを乗り越えて――左右非対称の絵

第4章 なぜ、その色なのか?──絵具と色の秘密
絵画は「物質」でできている
カラー・スキームを見よう!

第5章 名画の裏に構造あり──構図と比例
右は左より格上――?位置が明かす力関係
名画に隠された十字線と対角線
注目すべきは?と?と――?等分割パターン
等分割以外のマスター・パターン――正方形・直交・黄金比
長方形の中の正方形――ラバットメント・パターン
ラファエロ『アテネの学堂』――四等分に隠された深い意味
*ルート矩形について

第6章 だから、名画は名画なんです
絵の表面的な特徴が統一感を生む
『ウルビーノのヴィーナス』の秘密
総合的に分析してみよう――ルーベンス『キリスト降下』
自由な感想と客観的な分析

たくさんの絵画との出会い

本書ではたくさんの絵画が掲載されていて、その絵画を実際に分析しながら読み進めます。

例として用いられている絵画は知ってるものもあれば知らないものもありましたが、どれも分かりやすい例で、スムーズに理解できました。

そしておもしろいのが、同じ絵をいろんなアプローチで見ていくということです。

第1章でフォーカルポイントを探した絵を、今度は第2章で経路を探したり、と同じ絵に対して複数のアプローチを試みています。

一つの絵でもいろんな角度から観察することができ、さらにどの角度から見ても考えられて描かれているため、「だからいい絵なんだな」ということが分かります。

だから、名画は名画なのか!

第6章のタイトルは「だから、名画は名画なんです」。

第6章では1冊で身につけた技術を総動員させて、1つの絵をありとあらゆる角度から見てみます。

そしてどの角度から見てもよく考えられて描かれていることが分かります。

この1冊を読むと「なるほど!たしかに!だから、名画は名画なのか!」と、とても良く分かりました(笑)。

みなさんも読むときっとそうなることでしょう。

こんな人に読んで欲しい

美術館が好きだけど、なんとなくしか見ていない。

そんな方にはぜひおすすめです。

今は美術館に行くと音声ガイドがありますし、絵の情報をすぐにインターネットで調べることもできます。

しかし、それらはその絵を書くにあたっての背景や人物の説明などが多く、絵自体の見方そのものについて言及しているものは少ないように思います。

もちろん時代背景や人間関係などの絵以外の情報も鑑賞には大いに役立ちますが、絵そのものの構造を読み解く技術があるとさらに絵画の本質に迫ることができるでしょう。

これって音楽でも一緒かも…!

今回、この本を読んで絵はこうやって見るといいのか、というのが分かりました。

そしてこれって音楽でも一緒かも、と思いました。

つまり、ぼくは音楽を聴いて「この悲しい感情は短調を使うことによって表現しているし、演奏者は音色を変えてそれをさらに引き立たせているな」などと分析することができます。

でもまったく分からない人は「なんとなく悲しい感じがするような気がする…」で終わってしまいます。

どうして聴衆がそのような感情を抱くのか、そこには作曲者の音楽理論もあり、演奏者の表現の工夫もあります。

音楽の本質に迫って理解して聴くためにはある程度の知識が必要ですし、演奏もできるとより良いでしょう。

もっと音楽を理解したいという人はぜひ音楽理論を勉強してみたり、実際に楽器を始めてみることをおすすめします。

まとめ

美術館によく行くという方や、絵を見たくなったという方。

この1冊を読んでから行くと、さらに楽しめると思います。

ぜひ読んでみてくださいね。

その他の一般書の紹介の記事は以下からご覧ください。

それではまた次回(^^)

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